通常、証券取引での発注ミスに関しては、約定前であれば注文訂正、取り消しをすることは可能です。取消注文方法は、証券会社各社、証券会社との取消方法によって異なります。
インターネット証券であれば、概ね未約定注文一覧や注文一覧と言った株式の受発注管理をする画面がありますので取消をしたい銘柄付近にある取消ボタンや注文訂正ボタンをクリックすることで注文が取り消されます。
約定とは?
約定とは、株式取引などの売買が成立することをいいます。株式取引の基本ですが、株式を買う場合、売りたい場合、注文をしてもそれに応じてくれる投資家がいないと取引が成立しません。ただ単に、買い注文を出した、売り注文を出しただけでは、株を買った、売ったと言う事にはなりません。
売買が成立する前の状態を「気配」と言います。買い注文の場合を買い気配、売り注文の場合を売り気配と言い、買い気配が優勢、売り注文が優勢と言うように使います。買い気配と売り気配の金額が合致した時に取引が成立します。その状態を約定といいます。株式取引の場合、代金の受渡しは約定日を含めて4営業日後となっています。例えば、水曜日に約定した場合、月曜日が受渡日となります。
ただし、「約定から代金の受渡しまで時間があるのなら、代金は約定の後に用意すればいい」と思われる方もおられると思います。しかし、証券会社の多くは、証券口座で預かっている資金以上の取引ができないようになっています。もし約定後に代金がない場合、再度、市場に株式を出さないといけなくなるため、いつまで経っても株式の所有権が確定しないことになりますね。そうすると、株主としての権利が宙に浮いたままとなってしまいます。そうすると、証券市場の制度が崩れてしまうことになりますので、証券口座で預かっている資金以上には取引ができないと言うことになっています。
いずれにせよ、株式購入の際は事前に購入代金を用意しておく必要があると言う事ですね。証券取引での発注ミスの注意点
発注された注文が、未約定注文一覧に表示されている間は、該当銘柄の取消・訂正注文をすることはできます。 但し、約定処理中の場合や未約定注文一覧に表示されていない場合は、既に注文は約定されていますので、取消・訂正することができません。
また、当日注文から期間指定注文へ変更すること、または期間指定注文から当日注文に変更することができるような証券会社では、そうした変更をするには、一度注文を取消してから、改めて新規注文をする所が多いようです。
預り区分(「特定預り」「一般預り」「NISA預り」)を変更する場合も同様で、預かり区分を変更する場合は、一度注文を取消し、改めて注文する必要あります。ジュニアNISA口座を開設されている場合も同様で、口座(「総合口座」、「ジュニアNISA口座」)、預り区分(「特定預り」「一般預り」「NISA預り」)を変更することはできません。変更される場合は、一度注文を取消してから、改めて注文します。
証券会社によっては、注文に条件を付けて発注できる場合もあります。そのような注文を執行条件付注文と言いますが、執行条件付注文を発注している場合、執行条件を変更するような注文の訂正を行うことはできない場合もあります。執行条件を変更するような注文の訂正を行う場合も、注文を取消後、再発注を行うことになります。
初心者の内ではあまり関係ない話しかもしれませんが、信用取引をされている場合で、「建玉」がある場合、現物買付余力の範囲内でも現物の訂正注文ができないケースがあります。
また、信用取引の強制決済注文(返済期日の前営業日までに決済されない場合)についても、当然ですが、取消・訂正を行うことはできません。約定後の発注ミスの取消方法はあるの?
上記から、一般的には約定後の発注ミスの取消は、どの証券会社を使おうとも取消・訂正はできません。例外的に、証券会社サイドで誤発注してしまったものについては、取り消せる場合があります。その場合でも、証券取引所で大量の誤発注があった見られる場合で、大量誤発注が発覚した場合は、その銘柄は、一時的に取引停止と言う措置が取られる場合があります。2005年に、みずほ証券の大量誤発注事件で創設されたルールです。
再発注した場合の注文順位は?
株式取引を行うと、気配欄に注文数の状況が表示されるツールもあります。株式取引の約定するには、優先順位と言うものがあります。上記の通り、まずは、金額と数量が合致しないと約定しませんので、金額と数量が合致したものが第一順位となります。その中での優先順位としては、注文の早い順に約定していきます。
但し、単に注文が早いだけでは、約定しません。株式取引の発注方法には、成行取引と指値取引の大きく分けて2つの取引方法があります。第一順位は、成行取引、、第二順位で、指値取引となります。同じ金額で、同じタイミングの成行取引と指値取引が入った場合、成行取引の方が優先されます。あくまでも、注文の早い順に約定すると言うのは、成行取引の中で、注文の早い順、指値取引の中で、注文の早い順になりますので、注意が必要になります。
再発注した取引は、上記の通り、新規の注文と同じ扱いになりますので、指定金額欄の最後方での順位になると言うことになります。